畳
畳(たたみ)は、日本で利用されている伝統的な床材。芯材になる板状の畳床(たたみどこ)の表面を、イグサを編み込んで出来た敷物状の畳表(たたみおもて)でくるんで作る。縁には畳表を止める為と装飾を兼ねて、畳縁(たたみべり)と呼ばれる帯状の布を縫い付けるが、一部には縁の無い畳もあります。
畳には縦横比が2:1になっている長方形の一畳サイズと、これを横半分にした正方形の半畳サイズの2種類があります(以下の記述は特に断らない限り一畳サイズに関するもの)
大きさは3尺×6尺(910mm×1820mm、1.6562 m2)のものが基本となるが、部屋の寸法に合わせて注文生産される場合が一般的なのでサイズは一定していません。
一般的な規格としては、京間(本間)、中京間(三六間)、江戸間(関東間、田舎間、五八間)、団地間(公団サイズ、五六間)の4種類が有名であり、この他にも地域ごとに様々な規格が存在します。《Wikipediaより》

畳の歴史

中国伝来のものが多いなかで、畳は日本固有の敷物。その歴史は「菅畳八重」「皮畳八重」などの記述がある古事記にまでさかのぼります。まだ畳床などはなく、コモなどの敷物を重ねたものと推測されます。現在の畳に似た構造になったのは平安時代。板敷に座具や寝具として置くという使い方で、使う人の身分によって畳の厚さやへりの柄・色が異なりました。

鎌倉時代から室町時代にかけ、書院造が生まれて、部屋全体に畳を敷きつめる使い方に発展しました。それまでは高貴な人や客人のもてなしのためのものでしたが、建物の床材として利用されるようになったのです。しかしそうした使い方も貴族や武士の富の象徴。桃山時代さらに江戸時代に至るなかで、数奇屋造や茶道が発展して普及し、徐々に町人の家にも畳が敷かれるようになりました。それでも身分による畳の制限の風習は残り、庶民が使用できるようになったのは江戸時代中期以降。畳師・畳屋と呼ばれる人々が活躍し、畳干しする家々の光景があちこちで見られるようにいなりました(全国畳産業振興会より)

畳床のなかの空気が、高い断熱性と保温性を生みます。

5センチほどの厚さの畳床にはその材質に空気がしっかり詰まっています。空気は熱を伝えにくいという性質があります。つまり畳は冷たい空気をシャットアウトし、たくわえた熱を逃さない羽毛布団と全く同じ。だからあたたかく心地よいのです。

特長2 優れた吸放湿性で高温多湿な日本の住まいにぴったり。

夏は涼しく、冬はあたたかいという畳の利点を生み出しているのは、畳表のイグサと畳床。イグサがスポンジとなって湿気を吸収し、畳床のなかの空気が湿気を放出しながら、効率的に呼吸しているわけです。畳一帖分の自然吸湿能力は約500ml。ゆっくり湿気を吸って吐く畳は、高温多湿の日本の気候に最適な床材です。

特長3 弾力性があり、自然の色だから心にも体にも馴染みます。

畳の表(畳表)のイグサがスポンジ状の構造で空気をたくわえ、フカフカした感触を生み出しています。畳床にも空気はたっぷり。こうした空気がクッションとなり、寝ころべば心地よく、転んだときでも衝撃を和らげてくれるのです。また畳の色は人間の皮膚に近い自然色。畳は安らぎの触感と視覚を与えてくれます。

特長4 イグサの香りはリラックス効果抜群。空気も浄化します。

畳のすがすがしく懐かしい香りはイグサによるものですが、イグサの香りには鎮痛効果があります。また東大工学部の研究によって、イグサが人体にあまりよくない二酸化ちっ素を吸着する働きがあることが分かりました。畳は空気を浄化しながら、私たちに森林浴と同じようなリラックス効果をもたらしてくれるのです。

特長5 吸音・遮音効果があり、足音も気になりません。

畳の部屋はほかの部屋に比べて、静けさを感じます。これは視覚的に「落ちつき」を感じるからだけではなく、実際に畳の空気が余計な音を吸収してしまうから。衝撃を弱くする弾力性に加え、この吸音効果があるから、畳の部屋はいつも静かで、少々乱暴に歩いてもその震動や足音が弱まるのです。(全国畳振興会より)